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■2007年問題 |
2.多摩ニュータウン定住意識
多摩ニュータウンの居住者に対するアンケートの多くが、「今後とも住み続けたい」という意識の高いことを多摩ニュータウンの良さの理由にしているのですが、詳細を見ると非常に危ういことがわかります。
多摩市の世論調査*2では「ずっと住み続けたい」と「当分は住み続けたい」の81.2%を「定住派」として、多摩ニュータウンの定住者といるのですが、「当分は住み続けたい」とする「当分」の意味は、「子育てや通勤などが終わるまで」と読み替えることも可能です。それは「市外に転居したい理由」として、通勤通学、生活環境、住宅事情、仕事の都合、近隣関係を理由として回答項目を選択肢として作っているのですが、最も多かったのは「その他」の36.6%であり、アンケートでは判らない本当の理由が隠されているように思うのです。当分は住み続けるが、定年退職後には住み続ける理由がなくなるという状況の中で、今後の団塊世代の退職者達が多摩ニュータウンに住み続けるかどうかは、まさに風前の灯火かもしれないのです。
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市外に転居したい理由
(平成17年多摩市政世論調査)
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その他 |
36.6%
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通勤・通学が不便だから |
35.7%
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生活環境が良くないだから |
16.1%
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今の環境が手狭だから |
15.2%
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仕事の都合から |
13.4%
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一戸建て住宅に移りたいから |
10.7%
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隣近所との関係が良くないから |
7.1%
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こうした状況に対してニュータウンが今後も活力のある都市としてあり続けるためには、退職後に転居することを目論んでいる豊かな世帯を逃さない為に、魅力あるニュータウンを創ることに他ならないと考えています。ニュータウンは退職者達が求める田舎暮らしに共通な要素も持っています。里山や自然公園という緑豊かな環境があり、都心機能と同様な利便性施設やレクリエーション施設も整っています。こうした魅力を積極的に活かして、豊かな生活を保証することが可能です。
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国では、今後の団塊世代の居住動向や住宅余剰の状況をマッチングさせる「二地域居住」を推奨しており、世代的に地方志向が強くなっている団塊世代に向けた政策の方向を打ち出しています。
こうした状況の中で、多摩ニュータウンが今後とも活性化した都市としてあるためには、行政の立場としてアンケート結果の81.2%の「定住派」を真に受けないで、39.7%の「当分は住み続けたい」とする人の定住を確実なものとする努力をしなければならないと思います。ニュータウンが真に魅力的な住み続けるに値する街となるために、ベッドタウンからの脱皮、人生の最後を受け止めるライフタウンへの衣替えを推進する必要があるのです。移住するどうかの選択はあくまでも自由な選択であり、団塊世代がニュータウンとの関わりを継続させるかどうかは、地域の魅力づくりに依るのですから。
*2(参考リンク)多摩市政世論調査
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