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2017年05月分

第132回(2017年5月18日)

■テーマ:「空き家のバリューアップで、団地に次世代の家族を呼び込む ―金融・不動産と連携した新しい仕組みの開発―」
■講 師:金丸典弘(かなまる よしひろ)さん((株)アーキモール代表取締役)

 「団地の空き家をお宝に変える取り組み」というテーマは団地が「高齢化」「老朽化」と揶揄される団地居住者にとって希望の言葉でした。団地の1室を500万円で仕入れて1500万円で売却したという実績は、取りも直さず団地を保有する者の資産価値の考え方を変えるものでもありました。

 金丸さんは多摩ニュータウンの豊ヶ丘の団地に育ちました。証券マンとなり様々な投資家との出会いがありました。そして投資家でもあった社長の誘いでその鉄工所に務めることになりました。金融業から建設業への転身です。
 その鉄工所はクリエィティブな建築家の仕事をサポートする会社でもあり、ユニークな建築と触れ合いました。さらにそこで(株)佐藤秀と出会います。建築界には日本の歴史的な建築を建設できる技術力のある会社が数社あります。その中の一つで、金丸さんはさらにユニークな建築と出会います。こだわりのある建築家の建築が価格を度外視して発注がありユーザーも有ることを知りました。そして独立する道を選びます。

 まずは仲間を集め、平成25年1月9日「団地再生事業協同組合」(国土交通省認可)設立させます。組合のメンバーは建設だけではありません。むしろ広告や宣伝などのメンバーも含め「団地のブランド化」を意識した仲間です。高齢化した団地を支えるためには建物だけではなく健康もと、医師もいる組合です。それも国の認可にこだわりました。

 金丸さんはさらに「ダンチ‘お預かりValue Up’システム」を考案しました。ダンチの価値はリノベーシヨンを通じてバリューアップすることが解っています。だからその価値を団地所有者と共有しようという取り組みです。住んでいない住戸を預かり金丸さんたちが独自にリノベーションして販売する仕組みです。その住戸は金丸ブランド価格で販売され、売上から経費以外の利益を還元できる仕組みを考案しました。

 日本の団地はすでに老朽化が始まり、限界集落ならぬ限界団地も現れている時代に入っています。そんな団地の再生について正面切って取り組む金丸さんの意志の強さに感嘆した次第です。今後の金丸さんの活躍に両手を挙げて応援したいと思います。金丸さんありがとうございました。 (記録T.A)

(2017.5.31[Wed]記載)


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