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2016年05月分

第122回(2016年5月19日)

■テーマ:多摩NTにおける継続的な住まいの実現と子育て世帯の住み替えによる成熟化■講師:藤谷 英孝(ふじたに ひでたか)さん(藤谷英孝アトリエ/一級建築士事務所 千葉大学大学院非常勤講師)

 藤谷さんは多摩ニュータウンで建築設計事務所を主宰される傍ら、千葉大学大学院でも教えておられます。まず、お話は千葉大学の大学院のころに実施された研究から、タウンハウス諏訪とタウンハウス永山の2か所の共有空間を持つ接地型の低層住宅のアンケート調査をもとに、コミュニティや生活領域が経年とともにどのように変化していくかという分析の紹介がありました。

 両団地とも1980年の入居で、アンケートは入居開始の1980年と2010年の2回行われ、紙面の都合で詳細はご紹介できませんが、30年間の居住者のライフスタイルの変化やその間の意識や生活の変化をみるという興味深いものでした。

 また、貝取・豊ヶ丘地区を対象とした「住宅団地型既存住宅流通促進モデル事業」の一環として実施した子育て世帯へのヒアリング調査からは、住宅選択の理由として、両親との同居・近居を理由としている世帯が多く、また家賃や価額水準が適正であること、子育て環境が充実していることが評価されているようです。住宅への不満としては建物が古いことや、居住者が高齢化しており団地の管理・運営に対する不満を指摘する声が多いということでした。さらに、商業施設を始めとる公益施設の改善や近隣商店街に対するイメージアップが子育て世帯への転入を促進するうえで必要だという指摘がありました。

 参加者からは、共働き世帯の居住選択や転入を促進する施策の必要性についての指摘もありました。また、都市へ向いている世帯に多摩ニュータウンに住んでもらおうとしても無理があり、充実した子育て環境などもっと別の視点から考えることも重要ではないかという意見もありました。藤谷さん、興味深い話題提供をありがとうございました。

(2016.5.31[Tue]記載)


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