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2006年12月分

第19回(2006年12月21日)

【テーマ】「フランスの近年の団地更新について」
【講 師】 阿部順子 氏(椙山女学園大学助教授)

 今回は、椙山女学園大学助教授の阿部順子さんに、「フランスの近年の団地更新について」というテーマで、多くの事例と現地の写真をみせていただきながらのお話でした。

 戦後1950〜60年代の大都市への人口流入や引き揚げ者に対する大量の住宅供給を目的として、大規模住宅団地の建設を行うためZUP(優先市街化区域)が指定され、現在のフランスの団地更新はZUP団地を中心に行われているそうです。大都市への人口集中が団地建設の背景にあったという事情は、日本の郊外型大規模住宅団地と類似した点もあるが、日本と違い、フランスでは大量の移民の存在と、社会住宅が犯罪の温床ともなっていることが特徴のようです。

 近年の団地更新事業においては「レジデンシャリザシオン」という概念が重要なキーワードとなっており、、直訳すると「邸宅化(すること)」というような意味で、殺風景で非人間的な巨大スケールの団地を人間的な豊かな住まいのイメージに変えていこうという手法だそうです。「レジデンシャリザシオン」については、年明けの1月に発行される建築学会計画系論文集に阿部順子さんの論文が掲載されるそうです。

 この他、コルビュジェの集合住宅を社会住宅とデラックス・コンドミニアムの共存した住宅へと再生した事例、フランスのニュータウンの事例など、たくさんの写真を見せていただきながら、触れる機会の少ないフランスの団地再生の事情を知ることができました。

(2006.12.22[Fri]記載)


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