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2022年11月分
■テーマ:「今夏リニューアルオープンしたパルテノン多摩の概要と今後の運営について」 ■講師: 垣内敬太(かきうち けいた)さん(多摩市くらしと文化部 文化・生涯学習推進課主査 )
垣内さんは、6年間の民間企業勤務から平成24年に多摩市役所に入庁、環境部で2年半従事した後、くらしと文化部に異動され多摩市文化振興財団へ出向、5年間パルテノン多摩の施設運営に携わってこられました。その後、くらしと文化部文化・生涯学習推進課で、パルテノン多摩の運営に関する業務や再開館に向けた準備業務、文化条例などを担当されています。
パルテノン多摩は、昭和62年の開館から30年が経過し、老朽化が課題となっていましたが、平成28年から大規模改修に向けて、基本計画委員会、周辺施設整備等特別委員会、ワークショップ等により市民・市議会・行政・専門家が様々な議論を重ね、令和2年6月に工事着手、令和4年7月1日にグランドオープンを迎えました。
今回は、大規模改修事業の理念・基本方針やリニューアルのポイント、さらに今後の管理運営のポイントなどについてお話ししていただきました。
大規模改修は「文化芸術を通して、みんなが喜び、つながり、まちの魅力を創造する」を基本理念に、「@豊かな文化芸術を、鑑賞し・創造する楽しさや喜びを実感する場所づくり、A文化芸術を通した新しい広場・まちの広場づくり、B多様な人々が集い、交流し、賑わうことを通し、未来に向けた地域づくり」を基本方針としています。
改修の主な項目は、(1)劣化改修、(2)安全性向上(現行法規への適合)、(3)バリアフリー化、(4)標準性能の確保、(5)機能及び利便性の向上の5点です。
施設構成は、大ホール(1154席)、小ホール(269席)のほか、オープンスタジオを設けています。貸室には、会議室や市民ギャラリーのほか、クリエイティブ・ラボ、キッチンラボ・クラフトラボを新しく設けました。その他施設にはこどもひろばOLIVE、カフェ・ライブラリーラウンジ、ロビー・ミュージアムがあります。総事業費は80億円(工事費70億円、その他費用10億円)でした。
リニューアルの主なポイントとしては、多様な演目への対応や優れた音響性能を持つ大ホール、ホールの居心地・見易さの改善、大ホールへのエレベータ設置などのバリアフリー化、稼働率を高めるための諸室の用途変更、広いロビーや子供広場など多くの人を引き付ける広場空間の確保、身近に観て、聞けて、触れることのできる自動演奏楽器などがあげられます。
令和元年から3年にかけて、基本設計・改修工事と並行して、管理運営計画、施設条例の改正、管理基準等のルール作りや指定管理者の選定を進めてきました。運営体制はこれまで多摩市文化振興財団が指定管理者となって運営していましたが、文化振興財団と民間事業者3社の共同事業体が指定管理者となって運営する体制になりました。民間3社は主に、窓口・施設運営、施設の保全・清掃、舞台運営などを担っています。また、こどもひろばは子ども家庭支援センター(の委託業者)により運営し、市民もミュージアムにおける市民学芸員、市民研究員などにより運営に参加する体制となっています。
管理運営計画の主なポイントとしては次のような点があります。
・市民の優先利用や利用時間、連続利用期間の拡充、ロビー利用の緩和などの市民利用機会の拡充 ・市内中学校の利用料金の減免、施設利用者登録の年齢条件の緩和、こども広場におけるフリースペースの運営など、子どもの利用機会拡充 ・延長利用に伴う利用時間超過加算、営利目的利用の料金加算、物品販売等に対する加算、ホール以外の施設の任意の時間帯での利用を可能にするなど、今後30年間機能し続けるための財源の確保 ・ライブラリーカフェや2階ロビーのフリースペース、オープンスタジオやワークショップルームなどの誰もがくつろげ、気軽に利用できる居場所づくり
パルテノン多摩のアート作品について、大ホールサブホワイエの壁画(「蒼湾へ」深井隆氏作)は存置しており、小ホールの壁画(「碧イ壁ハ風ノ椅子」中村錦平氏作)をオープンにして、楽しめるようにしています。従来の2階の造作家具を撤去する代わりに同じ作家(藤江和子氏)による造作家具を設置しました。また財団が所有する、1987年にキースへリングが多摩市を訪れたときに子供たちといっしょに製作した作品の活用も行っています。
パルテノン多摩の大規模改修事業と並行して、市民の創造性や豊かな感性を育むとともに、市民が心豊かに暮らせる地域社会の実現に寄与することを目的として「多摩市みんなの文化芸術条例」を制定しました。今年度から「文化芸術に関するビジョンの策定」を開始し、アンケート調査、ワークショップを令和5年1月から2月に実施し、それらを踏まえビジョンを策定します。令和6年にはビジョンを具体化するための施策を定める計画となっています。
意見交換では ・市民交流の仕組みや仕掛けづくりなど、うまくいっている点、うまくいっていないところなど ・中央公園や図書館などの周辺施設との連携や機能分担について、 ・協議会としてのCMAの役割や機能について ・市内小中学校、コミュニティセンター、市民団体等との連携やパルテノン多摩が担うアウトリーチについて ・キースへリング作品の公開・展示、さらなる活用方法について など、活発な意見交換ができました。
垣内さんには詳細な説明資料をご用意いただき、これまでの経緯や新生パルテノン多摩の目指す方向など、とてもよくわかりました。お忙しいところ大変ありがとうございました。
(2022.11.29[Tue]記載)
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