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2019年03月分

第143回(2019年3月21日)

■テーマ: 「みんなのくらしのネコの手サポート ネコサポ」〜ネコサポって何?皆様にネコサポを紹介します!〜
■講師: 渡辺桂祐(わたなべ けいすけ)さん(ヤマト運輸(株)多摩主管支店 営業企画課課長)

ネコサポ事業は、経営戦略として、生活関連の総合的なサポートを通じて、地域の課題解決に資する新しい事業モデルの確立をめざしたものだということです。

ヤマト運輸という物流事業者がなぜ生活サポートのような事業を手掛けることになったのでしょうか。生活サポート事業を手掛けるという発想は当初からあったそうです。プロジェクトチームを組んでURと場所探しをやっている中で、多摩ニュータウンが候補地として選定されてきたとのことです。同時期に国交省の生産性の高い物流システム構築のモデル事業の公募があり、ヤマトのほかにUR、多摩市、京王電鉄と協議会を構成して立ち上げたものだということです。

ネコサポ事業は、市や国の助成金も入っていないヤマト運輸単独の事業で、URの店舗も通常の賃貸料を支払っているが、収益の上がらない赤字の事業だが、今後の全国展開を見据えて試行しているということです。

ヤマト運輸の経営資源は、全国的な集配ネットワーク、6万人のセールスドライバー、4千店の集配拠点、1日500万回の顧客との接点に伴う信頼関係があり、これらを活用することで、生活者に対し運ぶことに加えてソフトサービスを提供することで、生活者と地域社会に新しい価値を創出しようという試みということです。

ネコサポの取り組みは多摩市が全国で初めてのもので、永山と貝取の近隣センターにネコサポステーションを設けています。4月からは永山駅に近いグリナードの中にも開店することになっています。

ネコサポの手掛ける事業は多岐にわたり、コミュニティ拠点としての機能、家事サポート、買い物サポート、就労支援などがあります。コミュニティ拠点では、様々なイベントの開催や情報発信、他社のサービスの取次なども行っており、会員は2月末で3500人、月間来店者数は1400名にのぼるそうです。また佐川急便や日本郵便の荷物も一緒に配送する一括配送の取り組みも行っているそうです。

家事サポートは様々な日常のお困りごとやプロによる本格的なメニュ―なども相談に乗っています。買い物サポートは近隣のスーパーなどと連携した発注代行から商品の配送までやっており、1500円以上の買い物で利用でき、代行手数料は1点20円だそうです。

就労支援では生活サービスの提供者や拠点のコンシェルジェなどの近隣住民の雇用、シルバー人材センターと共同による配送センターの早朝アシストの雇用などをやっているそうです。

2017年10月には移動・外出支援のための実証実験を計14回実施し、のべ48名の参加があったそうです。実験は、自宅前から移動車両までの付き添い、車両による送迎、健康イベントや買物の付添いなどでした。生活関連サービスの一つとして、安全な移動手段の提供と出歩きの場所や目的の創出、買い物品配送などをワンストップで提供することを最終目標としているということです。

収益性という観点からは課題もあるようですが、持続的な事業として育てていって欲しいと思います。また、一括配送のような環境にも配慮した物流の効率化や団地内での配送業者の車両の競合を減らす新しい取り組みは他地域でも広げて行ければ素晴らしいと思います。

(2019.3.27[Wed]記載)


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