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2018年09月分

第140回(2018年9月20日)

■テーマ:「多摩ニュータウン南側プロジェクト」
■講 師: 饗庭伸(あいば しん)さん( 首都大学東京 都市環境科学研究科 都市政策科学域 教授 )

豊ヶ丘図書館の隣にJS(日本総合住生活株式会社)のショールームがあったのをご存知の方も多いと思います。この八角形の特徴的な建物が使われないままになっていましたが、2016年にJSがその再生に取り組むことになり、「 J Smile多摩八角堂」としてリニューアルしました。
リニューアルにあたり、縁があって饗庭先生にお声がかかり、饗庭研究室で今年度までの3か年、八角堂の2階に研究室のブランチを構え、ここを拠点として「多摩ニュータウン南側プロジェクト」を展開されています。
ユニークな「南側プロジェクト」という名称は、多摩ニュータウンの都市構造を俯瞰したとき、ニュータウン道路の通過する北側に都市機能が集中し、南側地域は比較的駅から離れた立地で、ニュータウンの南北格差があるのではないか、この南側地域を元気にしようという発想から 名づけられたということです。
これまで、地域を元気にするために、住民の方々とのワークショップによるアイデア出しや近隣の公園、歩行者専用道路などを使った様々なイベントを、研究室の学生さんたちと一緒にやっています。今月30日まで学生さんたちと撮影したニュータウンの風景写真で、街を褒めちぎる「まちのポスター」展が京王線の全69駅で掲示されています。ぜひ、皆さんも探してみてください。
地域に関わってくるなかで、これまで抱いていた南側地域の考えが変わってきたともいわれます。高齢化や人口減少は必然のこととしても、空き家の発生は少なく、住民は結構街を気に入っていて、住み続けたいと感じているんだと。
ニュータウン南側地域のこれからは、「現在の人々の暮らしを支えていく」「これから暮らす人々を巻き込んでいく」ことではないか。
場所づくりのアイデアとして、人々が思い思いに集まって、おしゃべりや、飲食を楽しみ、家族で遊んだり、ゲームに興じたり、と自由に過ごせる空間が街の中にあるといいと、中国のとある街の一角やあるショッピングセンターのフードコートの写真を写しながらおっしゃっていました。
約束の3年目を迎え、今後八角堂がどうなっていくのか、地域の人たちに愛され、集まっていただける場となっていくのか、運営のための話し合いがこれから続けられるそうです。ニュータウンの高齢化の進む住宅地や寂しくなっていく商店街で、学生さんたちの活動が続けられることは、地域の人たちにとっても元気づけられる大きな要因です。ぜひ、3年目以降も活動を継続してほしいものです。
饗庭先生、お忙しいなか、楽しく元気になるお話をありがとうございました。

2018.9.23[Sun]記載)


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