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木曜サロン

記録・報告

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2016年04月分

第121回(2016年4月21日)

■テーマ:「諏訪・永山地区のオープンスペースの再整備について〜その方向性と課題を探る〜」
■講師:大石武朗(おおいしたけろう)さん (元住宅・都市整備公団職員・ランドスケーププランナー)

 多摩ニュータウンでも最も早くに整備された諏訪・永山地区ですが、当初は効率的に宅地を供給する大造成案から、造成を極力抑えた自然地形案など、開発の考え方も紆余曲折があり、結局はその間をとった中造成案に落ち着いたということです。当時は高度成長期で東京圏の住宅が圧倒的に不足し、多摩ニュータウンには大量の住宅供給が課せられていた時期です。大造成案から自然地形案、中造成案と変遷していき、また住宅の整備が最優先課題とされるなかで、オープンスペース計画においてはいくつかの問題を残すものとなってしまったということで、大石さんはこれを次世代に残していく資産としてよりいい方向へと再編、再整備できないかと考えておられます。

 オープンスペース計画の問題としては、街区公園が住棟間の残置に配置され公道に接していないものもある。また、高圧線下の土地であったり、形状も三角形のもの、高層住宅の周りにL字状に配置されているものなど土地条件や敷地条件に問題のあるもの、歩行者専用道路(ぺデストリアンデッキ)も南北方向のルートでは歩車分離も不十分であったり、道路との変形の交差や長大な造成法面に接していたり、駅近くで大きな高低差があり、階段や急こう配のスロープにしていたりといったことが指摘されます。

 折しも、多摩市ではニュータウン再生方針を作成し、諏訪・永山地区を先行地区としてニュータウン再生に取り組もうとしています。諏訪地区の都営住宅の大規模な建て替え計画や学校跡地との再編成など、オープンスペースを含めた土地利用の再編・整備に取り組む大きなチャンスでもあります。長期的には分譲団地を含む敷地の再編なども視野に、将来を見据えた再配置のマスタープランを検討すべきではないか、建て替え計画などの動きが具体化する時点で土地の交換分合を行い、マスタープランの姿に近づけていくことが必要ではないか、というのが大石さんの問題提起でした。

 参加者からの提案や意見も欲しいと、図面を大きな図面も用意してワークショップ形式で議論しようと考えていたのですが、残念ながら時間切れで十分な議論にまで至りませんでした。主催側の力不足、準備不足で大石さんの期待に添えられず、申しわけありませんでした。

 今後、諏訪・永山地区では様々な動きが具体化してくると思いますが、そのなかで、オープンスペースの再編。整備についても具体的な議論が湧き上がってくるよう期待したいと思います。

 大石さんは木曜サロンは実に5回目になりますが、まだまだ多摩ニュータウンに関する話題はつきないようです。また次の機会もあるようですので楽しみにしています。

2016.4.23[Sat]記載)


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