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2015年12月分

第117回(2015年12月17日)

■テーマ:「多摩ニュータウン四方山(よもやま)話 その2」
■講 師:大石武朗(おおいし たけお) さん (元住宅・都市整備公団職員、多摩市在住)

 前回はニュータウンをめぐる伊豆・箱根の山のけんかの逸話、北永山公園の時計塔のいきさつ、貝取山に存在する巨石の謎、パルテノン大通りに仕掛けられた楽しみ、パルテノン大パーゴラの下の水族館など興味深い話が盛りだくさんでした。

 今回は、まず多摩中央公園の富澤家の移築保存にまつわる話題から。当初この場所には別の古民家が移築されるはずでしたが、87年のパルテノン多摩オープン祝賀会で、連光寺にあった富澤家の建物がアメリカ・ロサンジェルスの和風レストランに売却されそうだという話を聞きつけられ、何とか残そうと奔走された結果、中央公園のマスタープランの変更を進める中で、富澤家を移築保存することに決まったということです。

 続いて、多摩ニュータウンオープンスペース計画の変遷というアカデミックなテーマで話が進んでいきました。はっきいって、味気ない当初の計画から、時代の流れの中でニュータウンのオープンスペース計画が今のような豊かで魅力ある計画に変化していったのかという話もとても興味深いものですが、残念ながら長くなりすぎるので省略させていただき、興味深い話をピックアップして紹介します。

 多摩東運動公園は実はもっと広い公園になるはずだったという話。美濃部知事の時代に東京外郭環状道路の計画がストップしていた時期に、第2外環状をニュータウンを横断するような計画があったそうです。東公園の一部がその道路用地として取られた結果現在の規模になってしまった。第2外環の計画はその後雲散霧消してしまい、計画の名残が東公園から聖ヶ丘の台地に沿って残る南北の広大な斜面緑地だということです。斜面緑地は多摩市に移管されていますが、しりぬぐいを押し付けれた多摩市もいい迷惑ですね。

 住宅大量供給の時代から、質を求める時代へ大きく変化していくなかで、公団のオープンスペース計画・住宅地計画は大きな転換期を迎えることになります。そのきっかけとなったのが鶴牧・落合地区の基幹空間です。その中にある鶴牧東公園は鶴牧山(はげつる山)と呼ばれる小山が存在しますが、あの山は一度平坦に造成した土地にわざわざ土を盛って作ったんだそうです。これも時代の価値観が変化する中での、必然的な計画変更だったんですね。

 次いで、別所・長池地区の話題。せせらぎ緑道、長池公園と四谷見附橋、蓮生寺公園と長池地区のオープンスペースはユニークで楽しめる空間が多いのですが、長池地区の崖の端っこにある秋葉台公園には、日本一のピラミッドが存在します。2段造成の高低差のある敷地を逆手にとって、頂に底辺60m、頂上部の標高114.5の大ピラミッドを作ってしまいました。眺望のいい頂には6か国語の方位版もあり、竜をイメージした長大なスロープは子供たちのスリリングな楽しみになっています。

 大石さんお話を念頭に、いろいろな公園巡りをしてみるのも楽しみですね。みなさんもいかがですか。まだまだ紹介が足りないのですが、また別の機会にゆずることにします。大石さん、お忙しい中を準備に時間をとっていただきありがとうございました。

2015.12.20[Sun]記載)


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