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2014年12月分

第106回(2014年12月18日)

■テーマ :2015年度日本の保育制度が大きく変わります!
■講師:福島真さん(社会福祉法人至愛協会 かしのき保育園園長)

 2015年4月より施行される「子ども・子育て支援法」に基づく新制度及び多摩市の現状と今後などについてお話しいただきました。今回の新制度は、待機児童の問題や、核家族化などにより地域での人間関係が希薄となっていることなどによる家庭や地域での子育て力の低下といった子育ての課題の解消のため、保育の量的拡大、地域の子ども・子育て支援の充実、認定こども園(幼児期の教育と保育の一体的供給)の普及などを目的としています。

 当日時間内で制度を十分に理解することは難しく「結局のところ今回の新制度はいい方向なのでしょうかね〜??」という質問も出ていましたが、福島さんのお話しでは「子育て支援の幅が広がり、財源の確保が位置づけられた点では、まずは評価できる」とのことです。しかし、保育への今後の民間企業の参入と保育の「質」の確保の問題、消費税10%UPを前提としている今回の制度設計と実際の財源確保の問題等、様々な問題、課題も散見されます。

 多摩市においても昨年11月から「多摩市子ども・子育て会議」(福島さんも委員として参加)が開催され、来年3月には今回の新制度施行を踏まえた事業計画(平成27年度〜31年度)がまとまります。全国一律の国の制度や数値判断による指導などに対して、これまで築いてきた多摩市の保育環境やNPOなど多様な主体が関わっている子どもたちが地域で過ごす環境づくり、子育てを応援する取り組みなど、多摩市独自の良さ活かしながら、多摩市の実態、将来の方向に即した事業計画とその実行が大きな課題となりそうです。

 多摩市の保育所の実態と今後の方向の話題としては、多摩市は0歳児についてはニーズをほぼカバーできる保育の枠があるが1・2歳児の待機児童解消が課題であること、アンケート調査結果に基づく推計上は多摩市の待機児童の発生は平成29年度までで、それ以降の発生はないとの見込みであること、その受け皿として駅周辺に小規模保育所(今回の制度で新設)が開所する予定であること、などのお話しをうかがいました。

 福島さんからも、また、当日参加されていた地域で子育てを応援する活動を行っているNPOの方々からも出た今後の大きな課題の一つは、保育やNPOの活動に係る「人」をどのように育て、引き継いでいくか、という点です。

 今回の新制度において、保育の「量」の拡大・確保とともに「質」の改善も実施されることとなっています。今回は時間がなく「質」の改善については詳しくお話しをうかがうことができませんでしたが、待機児童解消に関連して保育の「量」の拡大・確保についてクローズアップされる一方、「質」の改善(職員配置、保育者の待遇など)については財源確保も含めて、どのように取り組まれるのか気になるところであり、保育やNPO活動などに係る若い人たちが誇りを持ち、長く続けていくことが出来るような環境が整うことを是非、期待したいものです。

 来年4月の施行に向けて、現在様々な詳細情報が国などから出てきている時期で、福島さん曰く「保育園職員の方々への説明も2時間では終わらない」という内容のところを、短時間で幅広い情報をふくめて貴重なお話しをしていただき、ありがとうございました。

 他自治体に比べても、ハードだけではなく子育てを支援、応援する多様な取り組みや環境が整っていることを多摩市としてもっとアピールすべき、という声も聞かれました。『子どもたちのより良い環境のために!!』と懇親会では皆さんで乾杯しました。(記録T.M)

(2014.12.31[Wed]記載)


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