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2014年11月分

第105回(2014年11月27日)

■テーマ:「多摩ニュータウン 私の「食」と「農」そして「今」 〜38年間の団地暮らしでの"食べ方“は”生き方“でもあった〜」
■講師:長尾すみ江(ながお すみえ)さん (あしたや共働企画理事)

 長尾さんは多摩ニュータウン創成期の1976年に豊ヶ丘団地に入居、その後貝取団地に住み続けて38年です。

 当時、多摩ニュータウンはまだまだ生活環境が整っているとは言えず、特に主婦を中心として文庫活動、自主保育、共同購入・生協活動などの自主的な活動が活発に行われ、それが同時に女性たちの関係性づくり、ネットワークの形成につながっていたそうです。

 長尾さんもこれらの活動に参加しつつ、ニュータウン入居当初からの「食」へのこだわり、アレルギーのあるお子さんのこと、1975年前後に出版された有吉佐和子「複合汚染」、レイチェル・カーソン「沈黙の春」(日本語訳出版)などでクローズアップされた環境汚染問題への関心も強め、その後の消費者自給農場運動「たまごの会」との出会いにより、農産物を「買う」「食べる」から、さらに「作る」こととのつながりの重要性を認識していかれたとのことです。

 「たまごの会」の活動は茨城県石岡市に農場を持ち、「自ら作り、運び、食べる」という社会運動とも言える活動で、長尾さんは小さいお子さんをおんぶして常磐線で通ったそうですが、共同生活をしながら農場の専従者となった方々もいたそうです。当時の会の活動を記録した貴重な資料も紹介していただきました。

 「たまごの会」は長尾さんいわく「ある意味でユートピア運動」あったため、その後会は分裂したものの、長尾さんはさらに「食と農を考えるこれからの会」への参加、自ら畑を耕す農作業と子育てをこなしながら、「作り手」「運び手」「食べ手」のつながりへの思いを深め、この時期の体験が「食」をキーとして地域で「共に働く」活動、現在のあしたや共働企画の誕生の基盤となっているようです。(記録T.M)

(長尾さんからのメッセージ)
 ニュータウン創成期の市民活動で、障害があってもなくても共に地域で学び暮らしていく、という運動にも出会い、障害を持った方々と共に働く場作りにも関わりました。
 その時に働く場の柱となった考え方は「自然と共に人と共に」でした。扱う商品は、環境に配慮したり、作り手の思いに自分たちの思いを重ねるものを選ぶこととなり、現在は諏訪商店街の自然食品「あしたや」、古本と雑貨「あしたやみどり」公民館内「はらっぱ」と三つの店を運営するに至りました。
 前述のたまごの会での出会いが、他の店にはない商品を扱う上で大きな役割を果たした一面もあるのかと思っています。

2014.11.30[Sun]記載)


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