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木曜サロン

記録・報告

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2014年05月分

第100回(2014年5月15日)

■テーマ:多摩ニュータウンの再生・活性化に向けた動き
■講師:上野淳先生(首都大学東京理事・名誉教授、大学院建築学域特任教授)

 木曜サロン100回の記念講演をお願いしたところ、快くお引き受けいただきました。上野先生は「多摩ニュータウン大規模住宅団地問題検討委員会(東京都 平成23年度)」、「多摩ニュータウン再生検討会議(多摩市 平成25年度)」において委員長として議論をまとめてこられました。
 今回は主催者からの要望で、ニュータウン再生検討会議の到達点と今後の行方についてお話ししていただきました。それだけでは物足りないというご配慮から、前半はこれまでの先生の研究室での多摩ニュータウン再生・活性化研究の蓄積から「多摩ニュータウンのいままでとこれから」という主旨のお話でした。

 講演の内容は、2月にパルテノン多摩で開催された”多摩ニュータウン再生プロジェクトシンポジウム”でお話されたものでしたが、シンポジウムに行かれなかった方も多く参加されていたので、改めて多摩ニュータウンの開発の経緯と特色、また特に初期開発地区である諏訪・永山地区の抱える現状の問題点などを浮き彫りにした緻密な研究成果を聞かせていただくことができました。
 多摩ニュータウンの特徴である丘陵地開発を生かしたぺデストリアンデッキによる緑のネットワークと優れた都市基盤、多摩ニュータウンの居住環境と市民意識に対する分析、諏訪・永山地区の高齢化と住宅や居住環境の問題点とその解決に向けたヒント、高齢者の生活を支える様々な施設やNPOなどの活動と高齢者の利用実態に関する調査分析結果、高齢者だけでなく子供たちのニュータウンでの行動分析など、多岐にわたる詳細なお話でした。

 後半は、多摩ニュータウン再生検討会議のこれまでの経緯と現在の議論の到達点、今年度以降の取組みなどのお話をしていただきました。昨年度までは行政が主体となった再生に向けたシナリオづくり、ロードマップの検討が主な内容ということで、話の端々に先生の本音のお考えなどもちらつかせていただきながらの解説でした。今年以降、再生検討会議では具体的な取り組みについての実施方針を検討するとともに、市民を交えた地区別の”円卓会議”を行い、多摩ニュータウン再生方針がまとめられることになるということです。平成28年度以降は住民、NPO、住宅管理者、多摩市などによる地区別の円卓会議が主体となって、具体的なエリアの再生を進めていくというもくろみのようです。

 これまでの50年は急激な成長を支える新しいまちをつくり上げてきた50年。これからの50年は急激な高齢化や人口減少が進む中で、スリム化をめざすと同時に人々をひきつける魅力にあふれたまちづくりをめざす50年でなくてはならない。これからの50年を見据えた再生を進めていくための大きなシナリオをつくるように心掛けたいと、締めくくりに力を込めた意気込みを聞かせていただきました。
 講演の後の意見交換では、住民の意識や価値観は多様でありどうまとめていけばいいのか、近隣商店街が地域の人たちにとって便利で楽しいものにするためにはどうすればいいのか、戸建て住宅団地のなかの市の管理する集会所を有効に活用し市民の自主管理で運営できるようにしたい、都市やまちの中で野菜や自然エネルギーを生産するようなしくみもあってもいい、ニュータウン地区だけに着目するのではなく既存地域のまちや住民も意識した再生が必要………等々の意見があり、先生もこれからの議論に参考にし、反映していきたいとおっしゃっていました。

上野淳先生、松本真澄先生の研究室の長年の成果は、「多摩ニュータウン物語(鹿島出版会)」にまとめられています。↓
http://www.xknowledge.co.jp/book/detail/30604581

また、多摩ニュータウン再生検討会議の検討結果は「多摩ニュータウン再生シナリオ」としてまとめられており、市のホームページで閲覧できます。↓
http://www.city.tama.lg.jp/plan/948/019468.html

(2014.5.22[Thu]記載)


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