■テーマ:高経年団地の長寿命化と省エネ改修 〜総合省CO2改修-住み続けられる団地をめざして〜 ■講師:高橋徹(たかはし とおる)さん(長谷工総合研究所 主任研究員)
鶴牧4.5丁目住宅で国土交通省の「住宅・建築物省CO2先導事業」を導入した規模改修工事が行われていますが、事業導入を提案した企業グループのとりまとめである長谷工総合研究所の高橋さんに、提案の背景や事業の内容などのお話を伺いした。
先ず、提案の背景として、住宅を取り巻く状況が住生活基本法の制定(2006年)を機として、フロー(新規住宅建設)からストック(既存住宅)に大きく変わってきこと、さらに地球温暖化や東日本大震災などの影響により、かつての「環境共生宅」の時代よりもより一層の省エネが求められてきていることなどをご紹介いただました。
次に鶴牧4.5丁目住宅に導入した「総合省CO2改修」では、断熱改修(外断熱窓など開口部の断熱性向上)と電力のスマート化が両輪との説明いただきました。なお、鶴牧への事業導入を後押しした大きな要因として、平成20年開始以来130件以の採択案件のうち、既存住宅の事例が5件と少なく、しかも集合住宅での導入事例他になかったことがあるとのことでした。
断熱改修については、まちせんでも一昨年から研究会やシンポジウムなどを10回程催してきていますが、外断熱の効果やメリットとして次のようなことがあります。
■断熱改修の効果 (1)快適性の向上(住戸内の温度が安定し、一年を通じて快適に過ごせる) (2)健康増進効果(ヒートショック防止等) (3)結露の抑制(結露が少なくなりカビやダニの発生が抑制される、アレルギー疾患にもよい) (4)省エネ・省CO2効果(省エネ性能が向上し光熱費の低減とCO2排出量削減効果を期待)
■断熱改修のメリット (1)住みながら改修が可能(改修工事に建物内に入るのはサッシの取り換え時などに短時間で済む) (2)建物長寿命化(コンクリート躯体を外側から厚い断熱材で覆うため、CO2〜の遮断による中性化抑止、年間温度変化が緩慢となるため躯体の亀裂原因の抑止など)
首都圏のRC造、築30年以上、5階建以下の物件数:約7,000件、約35,5万戸あり、うち多摩ニュータウンには約4.8万戸あるとのことです。鶴牧4.5丁目住宅への事業入理由として、今後のビジネスモデルとなることが評価されたことがあると感じまた。
高橋さんのお話を伺い、まちせんとしても、多摩ニュータウンに断熱改修を普及さていく取組みを継続していく元気をいただきました。
なお、鶴牧4・5丁目の外断熱改修については、今年度の多摩市の市民企画講座でも取り上げます。 ◆テーマ:「マンションの省エネ改修の普及に向けて」 〜エステート鶴牧4・5における外断熱改修事例を中心に〜 ◆日 時:平成26年2月8日(土)13時半〜16時半 ◆会 場:ベルブ永山4階集会室 ★基調講演:「省エネ改修に至るまで」花牟禮 幸隆氏(エステート鶴牧4・5住宅管理組合大規模修繕実行委員) 詳しくは、こちらをご覧ください。
(2013.12.2[Mon]記載)
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