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2013年02月分

第86回(2013年2月21日)

【テーマ】都市農業の課題 〜夢の持てる農業をめざして〜
【講 師】舩木翔平(ふなき しょうへい)さん(YUGI MURA Farm(おっさん牧場)代表、八王子市在住)

 今月は八王子市の新規就農第1号として、都市農業に新しい息吹を吹き込もうと奮闘中の若者、舩木翔平さんにお話をしていただきました。舩木さんは、閉鎖していた鈴木牧場を借りて、YUGI MURA Farm"おっさん牧場"を立ち上げ、新しい都市農業をつくろうと意欲を燃やしておられます。スーツにネクタイといういでたちで登場した舩木さんは、農業者というよりビジネスマンという雰囲気でした。もっとも、株式会社FIOの登記が完了し、社長として出発したばかりだそうですので、ビジネスマンに間違いないですね。

 農業に対する考え方自体、旧世代の抱いている農業とは別の価値観を見出しておられるようです。必ずしも農業収入を目的としているわけではなく、東京で農業を始めるということは、地方で農業をやることとは違う。都市農地を保全し里山を残していくような仕組みをつくることことが、東京で農業をやる魅力だと言っておられます。

 株式会社FIOは、おっさんの元牛舎の2階に事務所を置いておられます。そのスペースを使って地域の人たちや若い人たちの交流の場に、新しいアイデアを形にしていく場にしたいと、着々と改装が進んでいるようです。近いうちにはお披露目もできるのではないでしょうか。FIOは、農業仲間と3人で立ち上げ、名前の頭文字をとって名付けたということです。FIOの仕事は単なる農業経営ではなく、農家と周辺の都市住民や需要者とのネットワークづくり、販売戦略、商品開発などのアドバイザーとしての役割も果たしたい。また、新規就農者がいきなり地方で就農するのではなく、東京で研修を積んで農業を身につけていくための受け皿や窓口になれればとも話しておられます。

 商品戦略に対する考え方も個性的です。現在は蜂蜜を主体で、ギフトとして成立するような商品であれば価格設定もある程度高くても需要はある。ターゲットを若い女性層に絞り、ネーミングやデザインも練ったものにするということです。GREEN HONEYという名称にして新鮮さをアピールしているそうですが、そのデザインやネーミング、量や価格について、デザイナーとともに、若い女性を集めて決定したという話です。

 舩木さんから、参加者に対して農業商品やサービス、里山での活動、ニュータウンに必要なサ−ビスやものなどについて問いかけがありました。参加された方からは、学生をまきこんだ活動の提案、堀之内ブランドの創出、そばの栽培からそば打ちまでの体験メニュー、農家主体の料理教室の提案などなど、様々なアイデアや意見が出されていました。また、舩木さんの頭の中では次の展開が生まれているのではないでしょうか。

 古い価値観から抜け出せない年配にとっては、多少危なっかしさをも感じないわけではありませんが、既成の概念にとらわれない価値観を持って、新しいものに挑戦していこうという勇気や若者らしい夢がしっかりと伝わってきました。今後のFIOの活動を注目していきたいと思います。舩木さん、ありがとうございました。

 余談ですが、当日は舩木さんの一番の支援者でもある牧場のおっさんこと鈴木亨さんの誕生日とも重なっていて、懇親会では舩木さんのリクエストでバースデーケーキのサプライズもありました。

2013.2.24[Sun]記載)


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