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 木曜サロン
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2012年06月分
【テーマ】広がる新幹線とまちづくりから見た課題 【講 師】篠原啓一 氏(多摩ニュータウン学会理事、共同通信社編集委員)
6月木曜サロンは、篠原啓一さん(稲城市在住、多摩ニュータウン学会理事)をお迎えし、「広がる新幹線とまちづくりからみた課題」というテーマでお話をしていただきました。篠原さんは、さすがに新聞記者だけあって取材力も抜群、鉄道の話題がこれほど奥深いとは思いませんでした。軽妙洒脱な話しぶりに時間の立つのも忘れて1時間30分タップリと楽しませていただきました。参加者が19名とやや少なかったのが残念でした。
先日のニュースで整備新幹線3路線の正式認可が決定したことを伝えていましたが、お話は最近の新幹線をめぐる話題、わが国新幹線の再評価、整備新幹線の問題点、リニア中央新幹線の課題と実に盛りだくさんの内容で、問題点の指摘や将来への洞察も含めて雑学というにはもったいないほどマニアックで専門的な知識を叩きこんでいただきました。
東海道新幹線の実現は、戦争で中断したものの一部完成していた戦前の弾丸列車計画のトンネルを引き継いだという話や、新幹線の動力が従来の世界標準である動力集中方式ではなく、動力分散方式を日本独自の技術として開発したことなど、鉄道ファンならずとも興味深く聞かせていただきました。
JRは狭軌を採用していることは知られていますが、世界標準である広軌を採用している民鉄や地下鉄もあり、さらに多摩ニュータウンにはゆかりの深い京王電鉄が狭軌でも広軌でもない中途半端な軌道を使っているということは初めて知りました。なぜ・・・?という疑問が当然沸くのですが、これは次の機会のお楽しみということで、教えていただけませんでした。
新幹線の規格には東海・山陽・東北などのフル規格、山形・秋田などの相互乗り入れのミニ新幹線、在来線を使った長野・長崎で目指しているスーパ―特急、車両の幅を変えて広軌・狭軌に対応するフリーゲージトレインと4種類あるそうです。整備新幹線は北海道、北陸、九州新幹線長崎ルートとありますが、それぞれに問題を抱えていて、青函トンネルの通行方法、北陸新幹線では敦賀以西のルートがどうなるか、長崎ルートでは地域課題からフリーゲージを目指さざるを得ないことなど、興味がつきません。
そして話題はリニア中央新幹線に。山梨実験線のルートと品川駅の方向、通過点の橋本から推察すると、一本杉公園の直下を通過するのではないかという想定ルートが描けるのだそうです。それはともかく、そもそも人口が現象し社会構造が大きく変化する中でその必要性は希薄になるのではないか、大阪までの開業が2045年を目標にしているが、その間の東海地震発生のリスクもある。そもそも、東海道新幹線でも時速350kmが実現されようとしているのに、多少早くなるとはいえ、そこまで時間を短縮することが大事なのか、人だけしか運べない新幹線に地域振興の効果が期待できるのか・・・等、ジャーナリストとしての視点での問題提起がありました。とはいえ、鉄道ファンとしての篠原さん個人は、リニアの実現を目にしたいという思いが強いのだそうです。
篠原さん、有意義で興味のつきないお話をありがとうございました。ぜひ、第2弾を期待してます。
(2012.6.30[Sat]記載)
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