多摩ニュータウン
多摩ニュータウン・まちづくり専門家会議
 
E-mail


まちせんトップ

木曜サロン

記録・報告

%bnindex%...more

2012年04月分

第77回(2012年4月19日)

【テーマ】コレクティブハウスに住まう
【講 師】矢田浩明 氏(コレクティブハウス聖蹟 居住者)

 コレクティブハウス聖蹟は、NPOコレクティブハウジング社(CHC社)がコーディネートして建設された、聖蹟桜ケ丘駅から徒歩5分の賃貸集合住宅です。コレクティブハウスとは、(1)コミュニティとプライバシーのバランスに配慮した暮らし、(2)居住者の話し合いによる自主運営、(3)多世代が同じ建物に居住することなどが特徴といえます。

 矢田さんは、2009年4月からの入居に先立ち、1年10カ月間の準備期間から参加されてきました。矢田さんがコレクティブハウスに興味を持ったきっかけは、当初、お子さんを育てまた育つ環境を考えての「子どものため」だったとのことですが、計画段階から参加するうちに「自分のため」へと心境が変化しとのことです。「ていねいな暮らし」をしたいと感じるようになった、あるいは、コミュニティの中で役割をもち汗を流すことで暮らしをつくっていく住まい方をしたいと思うようになった、という矢田さんの言葉が印象的でした。

 コモンミール、掃除、ガーデニングの「3大家事」を居住者(世帯単位ではなく、個人単位)で分担し、住まい方の様々な問題も皆さんで話し合って決めていくという住まい方は、「面倒くさい」しかし「楽しい」。特にコミュニケーション能力が高い人の集まりではなく、人見知りの自分でも参加できる。自分たちで暮らしをつくり、暮らしを良くしていく。一人々々を大切にし、相手を大切にすることを考えるようになった。いろいろなエピソードをうかがううちに、肩肘張ったコミュニティづくりではなく、共同生活をおくるためのしくみを自分たちで工夫しながら楽しんで暮らしておられる様子がよくわかりました。

 オーナーさんが入居前の見学会に自ら聖蹟のまちを案内し、自宅を提供してワークショップやパーティをやったり、入居後も居住者の方々との親密なお付き合いを欠かさないということで、オーナーさんのコミュニティや人間関係を大切にしたいという気持があったからこそできたプロジェクトではないかと思います。

 CHC社は定例会への参加や暮らしの様々な場面でのワークショップなどの入居後もサポートをしっかりとやっておられるということです。これまでに4件のコレクティブハウスを手がけられ、前橋市や沼袋、蔵前で新たなコレクティブハウスにも取組まれているようです。参加された方の関心も高く、活発な意見交換や懇親会でも矢田さんを囲んだ議論がつづいていました。矢田さん、貴重なお話をありがとうございました。

2012.4.28[Sat]記載)


Powered by HL-imgdiary Ver.3.00


永山ハウス
コーポラティブ住宅
(c)多摩ニュータウン・まちづくり専門家会議