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2011年10月分

第71回(2011年10月20日)

【テーマ】まちづくり市民事業の模索と展開
【講 師】鈴木進 氏(NPO木の家だいすきの会 代表理事)

 今月は早稲田大学都市・地域研究所招聘研究員/NPO木の家だいすきの会代表理事の鈴木進さんをお迎えしまし、「まちづくり市民事業の模索と展開」というテーマで、コンサルタントとして関わられた「高齢者向け賃貸住宅事業」(山形県鶴岡市)と市民事業体として関わっておられる「NPO木の家だいすきの会」について盛りだくさんのお話をうかがいました。

 「高齢者向け賃貸住宅事業」クオレハウスは、鶴岡銀座通り商店街内の病院跡地という「資源」を、高齢者の都心居住ニーズへの対応としての活用するとともに、地域交流機能なども盛り込むことで中心市街地の活性化にもつなげようとするプロジェクトです。様々なハードル乗り越えられての完成だったようですが、関係者の多くのネットワークとこのプロジェクトの社会的意義が広く認識されたことが企業・団体を含めた多様な主体の参加を促し、事業を推進する鍵の一つになったようです。事業組織、資金調達の方法など多岐に渡る大変興味深いお話をうかがいました。

 「NPO木の家だいすきの会」の活動については、「住まい手と山(木材産地)のネットワークによる家づくり」「武蔵野の風土に根ざした家づくり」「住まい手とつくり手の顔の見える家づくり」を柱として、家づくりの支援などの活動を展開されています。森林保護や林業の振興、木組み工法など今や貴重な技術を持つ工務店の重要性など、「森」「木材」「家づくり」について奥の深いお話をうかがいました。「木の家」というと木造戸建て住宅が対象のように思いがちですが、NTの集合住宅でも木の持つ優れた吸放湿機能などを活かしたスケルトンリフォームなど、新たな「木との出会い」も期待できそうです。

 最後に「まちづくり市民事業の今後の課題」の一つに、「市民事業を担う人材の育成」、「資金の前に人材」「人材を育てる仕組みを地域が持っているかどうか」を挙げられましたが、私たちの地域でも重要な課題であると大いに共感する話題でした。

 「まちづくり市民事業」については、鈴木さんが長くご一緒に活動されています早稲田大学の佐藤滋教授編著で、鈴木さんご自身も執筆なさっている「まちづくり市民事業」新しい公共による地域再生(学芸出版社)をぜひ参考にしてください。この本によると、「まちづくり市民事業」とは、地域社会の様々な課題への対応として、市民自らが協働の組織により事業を立ち上げ、地域の資源と需要を顕在化、雇用の創出なども視野に入れながら都市、地域の再生を目指す事業ということです。
 鈴木さん、貴重なお話をありがとうございました。

2011.10.30[Sun]記載)


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