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木曜サロン

記録・報告

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2011年06月分

第68回(2011年6月16日)

【テーマ】団地丸ごと外断熱改修〜146戸の分譲団地で外断熱改修を実施した経緯と効果〜
【講 師】横山美樹雄 氏(ホームタウン南大沢住環境委員長)

 6月木曜サロンはホームタウン南大沢住環境委員長の横山美樹雄さんをお迎えし、「団地丸ごと外断熱改修〜146戸の分譲団地で外断熱改修を実施した経緯と効果〜」というテーマでお話していただきました。

 外断熱改修の結果、住民の方の評価は「結露がなくなった」「日中の暖房がいらなくなった」「風呂場やトイレが寒くない」「夏エアコンの効きがいい」「生活が豊かになった」など、いいことづくめで効果絶大といったところのようです。こんなにいい外断熱なら、ぜひ自分の団地でも…と考えるところですが、ではどうやって……?

 146戸の分譲集合住宅で、大きな費用が発生する外断熱改修の合意形成ができたのは、なぜか? 公募から締め切りまで、年末年始を挟んで3週間余りという、到底無理と思われるスケジュールのなかで、どのようにして管理組合の意思決定を行っていったのか? 今回のテーマのなかで、この大きな疑問に対して明快な答えが期待できるのか、答えがあれば外断熱を団地型分譲集合住宅に普及していく鍵があるのではないかと、大変興味がありました。この報告では、この点を重点に横山さんの話をご紹介します。

 ホームタウン南大沢で外断熱改修が実施できた要因として4つあげられました。一つ目は、外断熱に対する知識や関心を高めるため、十分に時間をかけて努力をしてきたということです。初めのきっかけは平成14年に屋上防水工事の検討に当たり外断熱の勉強会を実施したことから始まり、平成18年にNPO外断熱推進会議が実施したアンケート調査へ協力、その後、事例の見学会やUR都市住宅研究所の見学会などを行ってきたということです。

 二つ目は住民のコミュニティが親密であることだそうです。日頃、グリーンクラブ、お助け隊、シネマクラブ、草刈り隊などのボランティアグループの熱心な活動や、イモ煮会、餅つきなどの行事などのほか、ホームページの開設、住民のメーリングリストなど、住民交流が活発に行われていることが、いざというときの結束力になるということです。

 三つ目は十分な資金があった。修繕積立金の備えが十分にあったことが余裕を持って決断できたということでしょう。また、加えて国の補助金が1億円もあるということがかなり大きな決めてになったとのことです。(結果的には補助金は5千万円と半分になったとのことです。)

 最後に専門家の存在をあげておられました。団地の理事会や修繕委員会はほとんどが建築やマンション管理については知識がなく不安なものですが、平成12年から専門のコンサルタントに団地管理を委託し、適切なアドバイスが得られたということです。

 横山さん、有意義なお話を聞かせていただきありがとうございました。外断熱に興味をもたれた方、もっと知りたいという方、NPO多摩ニュータウン・まちづくり専門家会議では、外断熱をはじめ住まいの省エネや暮らし方を考えるための講座を5回シリーズで企画しています。

2011.6.25[Sat]記載)


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