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木曜サロン

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2010年04月分

第56回(2010年4月15日)

【テーマ】比較ニュータウン論「関西文化学術研究都市(けいはんな)」の現状と行方
【講 師】藤田道男 氏(関西学研都市センター(株)代表取締役社長)

 藤田さんは、多摩ニュータウンの新都市センター開発の専務として、多摩センターの活性化にも尽力され、よこやまの道の整備に長く協力してこられました。また、今年で6年目を迎える木曜サロンの第1回講師をお引き受けいただき、まちせんとしても大変お世話になっております。

 関西文化学術研究都市(けいはんな)の概要については、筑波研究学園都市、多摩ニュータウンとも比較しながら都市構造、まちづくりの推進主体、開発の経緯と現状などを詳しく説明していただきましたが、一般的な情報ではわかりにくい12のクラスター型都市構造に至った経緯や関係府県の温度差などの興味深いお話もうかがいました。

 関空と並んで関西の2大プロジェクトとして注目されていた関西文化学術研究都市も、東京からはややその動きが見えなくなっていたように思いますが、第1ステージ(構想から街びらき)、第2ステージ(都市の建設)に続き、2006年から第3ステージ(建設推進・高度な都市運営)を迎えているそうです。経済停滞や人口減少、公共投資の効率化の中で、12のクラスター型都市構造がどのように進化していくのか、「文化」を目に見える形で都市の魅力として実現していくのか、など今後の行方が大変注目されます。最後は、『歴史都市の多くは「ニュータウン」であり、都市は50年、100年単位でとらえるもの』という言葉で締めくくられました。

 まちづくりには、地元の様々な主体の関わりが重要である、という藤田さんの言葉は、多摩ニュータウンについても共通するものです。藤田さんが代表を務められ、住民や法人が参加している近鉄高の原駅前の“花いっぱい運動”もご紹介いただきましたが、非常に緩やかなくくりである関西文化学術研究都市において、そこに暮らし、働き、学ぶ人々の思いや活動についても、またの別の機会にお聞きしたいと思いました。

 なお、当日は本題の前に、藤田さんの「都市を考える原点」である、アリストテレスの『Politics(政治学)』、(財)日本地域開発センター第二分科会磯村班による『実態調査報告書(1968.1)』の「東海道メガロポリス」についてご紹介がありました。いずれも今では貴重な書籍で私たちが手にすることはなかなか難しいようですが、あらためて「都市とは何か」「都市論考」という勉強会ができそうです。

(2010.4.27[Tue]記載)


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