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2010年03月分

第55回(2010年3月18日)

【テーマ】「歴史的文化財を生かした街おこし」をめぐって
【講 師】福田栄次郎 氏(明治大学名誉教授、多摩市文化財審議会会長、多摩市史談会会長)

 今回は明治大学名誉教授・多摩市文化財審議会会長・多摩市史談会会長の福田栄次郎さんをお迎えし、”「歴史的文化財を生かしたまちおこし」をめぐって”というテーマでお話を伺いました。

 福田さんは、日本中世史がご専門で長く大学で教鞭を取られたほか、多摩市においてもご専門を活かした様々な活動に取り組んでおられます。その一つは、今回のテーマである「歴史的文化財を生かしたまちおこし」で、華々しい歴史的文化財・文化がない多摩市において、「みち(道)」が貴重な歴史資源であり、是非、これを生かしたまちおこしを、と提言をされています。

 まず、市内の歴史的な「みち(道)」として、向ノ岡歴史散歩道(連光寺向ノ岡〜聖蹟記念館)、鎌倉街道、さらによこやまの道を取り上げ、それぞれの歴史的な由緒や写真での現在の様子などを説明していただきました。「向ノ岡(むこうのおか)」という地名は、「むこう」、つまり、多摩川を挟んだ対岸の府中方面から見た多摩丘陵の美しい景観の岡を指した地名であり、小野小町も歌に詠んだ地であることや、宿場で馬を洗った水場との関係が想像される鎌倉街道の関戸宿付近に残る水路のお話など、ここに書ききれない沢山の興味深いお話をうかがいました。

 また、歴史的文化財・資源を生かした街おこしに際しては、白山神社の獅子舞などの民俗芸能の復活や「春蘭の府」(最中のような菓子)、「はら峰のいずみ」(多摩市産のお米を100%使用した日本酒)、「目籠」など、多摩らしい物産の開発も併せて取り組むことが必要であろうとのお話でした。

 お話しにあった歴史的な「みち(道)」周辺では、現在は市街化や大規模な開発が進んでおり、今も残る小さな庚申塔などの史料から、大きくは「みち(道)」周辺の風景に至るまで、どのように保存し、あるいは復元してまちおこしにつなげるかは様々な課題がありますが、福田さんからは他都市の事例でも示していただき、多様な残し方があるとのお話もうかがい、今後もまちおこしへの貴重な提案をいただけるものと心強く感じました。

 福田さんからは、歴史的な「みち(道)」を巡る「まち歩き」のマップ作りも有効であるとのお話で、よこやまの道は既に良いマップもできてきているようです。加えて、お話しにうかがった向ノ岡歴史散歩道など、これからの暖かくなる季節に“歴史散策”が楽しみになりました。

(2010.3.31[Wed]記載)


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