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2009年07月分

第48回(2009年7月16日)

【テーマ】これからの地域公共施設ネットワーク 〜 多摩市を対象として
【講 師】吉川徹 氏(首都大学東京都市環境学部教授)

 吉川先生の研究室では、研究プロジェクトの一つとして「既存ストックを活用した地域施設ネットワーク計画」に取り組んでおられます。また、首都大学の他の先生とともに、多摩市を研究対象とした公共施設ネットワークの再構築に関する研究プロジェクトの実施など、多摩市の公共施設について研究、提言を行っておられます。

 学生さんによる研究のご紹介では、公共施設の分布状況、利用実態や空間的特性、その関係性など、膨大な資料の調査やち密な解析・研究に圧倒されるものがありましたが、先生のわかりやすく軽妙な語り口で、大変興味深くお話しをうかがいました。

 今後、ますます多様化する住民ニーズや、一方で人口減少に伴う施設利用の需要減少、税収の減少などに対応して、既存公共施設ストックの柔軟な利活用に取り組むことが重要であり、そのためには利用者ニーズや施設の物理的キャパシティの把握、従来の管轄・管理によらないサービスの提供、長期的視点に立った再配置などを検討する必要があるとの指摘は十分に納得できるお話でした。
 ストックの長期的な維持管理の視点では、重要な建築物を残して他を閉鎖する、「減築」ならぬ「減施設」の選択肢も必要であろうとのお話しでした。

 今回のお話しにあった公共施設以外にも、多摩市ではニュータウン区域を中心として道路・公園等の膨大な基盤施設のストックマネジメントも大きな課題ですが、公共施設のストックがあるということは多摩市の「強み」であり「財産」であるという先生からの指摘です。
 最後の意見交換の中からは、学際的な研究・提言とともに、豊かなストックを次の時代へ引き継いでいくために、有効的な利活用の知恵と市民の地域への愛着も重要と改めて感じました。

 いつもながら、先生の軽妙な語り口と、漫談でもきいているようなテンポのあるおしゃべりに、予定を超えたお話も時間のたつのを忘れるほどでした。

(2009.7.31[Fri]記載)


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