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2008年09月分
【テーマ】「多世代交流空間の研究」 【講 師】小山展宏 氏(早稲田大学理工学研究所嘱託研究員(社会システムデザインプロジェクトアーキビスト)) 今回は早稲田大学理工学研究所嘱託研究員(社会システムデザインプロジェクトアーキビスト)の小山展宏さんをお迎えして、ライフワークとして研究を続けておられる「多世代交流空間の研究」、また、その過程の中で今もかかわりを続けておられるデンマークにおける多世代交流の事例や様々な体験についてお話をうかがいました。
建築家を目指していた小山さんが大学の卒論時に「多世代交流空間の研究」に取り組んだきっかけは、コミュニティや人と人のつながりの希薄・減少に起因すると思われるさまざまな社会の出来事の中で、これからの時代に新しい形で人と人のつながりをつくるために、コミュニティを形成する要素を世代間で継承していく、世代間交流の場が必要ではないかとの思いからだそうです。
多世代交流空間の実態把握のため国内で調査を進めた後、「児童教育」「高齢者福祉」「コミュニティ」「デザイン(創作)」という点に調査のキーワードを絞り込んだ中で出会ったのがデンマークということです。
デンマークでの多世代交流の場の事例の一つとして紹介されたのが、「フォルケホイスコーレ」という生涯学習学校でデンマーク国内に約80校が存在するそうです。ここは、満18歳以上の人間であれば誰でも(外国人でも)入学可能な教育機関で、小山さん自身も参加されたサマーコースでは、10代から70代までの参加者が、共同生活(全寮制)の中で、「楽しく」学びながら、多世代交流が自然に発生しているとのことです。年齢に関係なく「楽しく学ぶ」機会が、多世代交流の一つのヒントであるようです。
このほかにも、避暑兼語学習得に訪れるデンマーク人も多いカルゥ国際語学学校、帰国後に小金井市で実践されたグリーンスクール(生涯学習体験教室(日本版フォルケホイスコーレ))などの興味深いお話が続きました。また、デンマークの家族間の結びつきの強さや近隣づきあいの様子、高齢で一人暮らしをする女性の自立意識など、小山さん自身の当時の驚きが伝わる体験談も盛り沢山でした。
『理論だけではなく、「かたち」にするのが建築家である』、という「ものづくり」家らしいポリシーをお持ちの小山さんですが、今後は「人間・時間・空間と手間・仲間・世間」の「間のデザイン」に注目し、多世代交流空間研究の次のステップと空間・施設づくりを目指されるとのことで、ご活躍を期待しています。
(2008.9.30[Tue]記載)
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