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2015年09月分
■テーマ:多摩電力と多摩循環型エネルギー協会の紹介 ■講 師:大木貞嗣(おおき さだつぐ)さん(多摩電力合同会社執行役員、多摩循環型エネルギー協会理事)
多摩循環型エネルギー協会(多摩エネ協)は、東日本大震災・福島原発事故の2か月後の2011年5月にエネルギーの問題を市民が自分たちの問題として考えようと発足した市民活動団体です。10月には多摩エネ協を母体として、地域で再生可能エネルギーの事業化を図るべく多摩電力合同会社(たまでん)が発足しました。
多摩エネ協のこの間の活動の柱となったのが、2012年から2014年まで3年間実施された、地域協働で自然エネルギー普及モデルをつくることを目的とした、環境省「地域主導型再生可能エネルギー事業化検討業務」協議会でした。協議会委員のメンバー構成は、首都大学や弁護士などの有識者、金融機関、商工会議所、まちづくりNPOなどの地元の各団体、さらに環境に詳しいコンサルタントなどが参加し、多摩市環境部からも参加、さらに環境省や東京都もオブザーバー参加し、多彩なメンバーで検討が進みました。
具体的な検討は協議会の下に分野・テーマ別に5専門委員会が設けられましたが、その一つであるPPP専門委員会では、多摩市における再生エネルギーモデルの構築を検討し、「屋根貸し事業」を多摩市内の集合住宅や民間施設に広げるための実証モデルとして位置づけ、検討をしてきました。
その成果が、多摩市とエネ協、そして事業体であるたまでんを含めた3者の協定に基づく、市内9か所の公共施設(学校、コミュニティ施設、市営住宅など)への太陽パネル設置です。エネ協はその他の活動として、毎月実施されているエネカフェなどのイベントや人材育成のための次世代リーダー育成プログラムにも取り組むなど、創エネ、省エネ、節エネなど幅広くエネルギーを考える取組みを進めています。
一方、たまでんは、「たまでん債」という市民ファンドや地元金融機関から資金を調達し、2013年の恵泉女学園を第1号として、その後は多摩市との協定や青梅市、日野市などにも広げ、現在では前述の9つの公共施設も含めて計13の市民発電所を展開しています。計13発電所(約600kW)の規模での太陽光発電事業は現実には運営は非常に難しい、そのため、多摩電力は2015年度はとりあえず貸し主と債権者への責任遂行のため13施設の維持管理に重点を移しました。社員2人に応分の給料を払う制度を廃し、ボランティアと実費主義で今年度の運営を図ります。
以上がこの間の活動の概要とのことですが、大きな目的である一般集合住宅への普及という面でも壁に当たっている現状を打破する取組みとして、今年度から多摩市とエネ協が共同事務局となり「集合住宅・環境配慮型リノベーションモデル事業」という取り組みを始めたことも紹介されました。
モデル事業の目的は、(1)マンション・団地におけるエネルギー環境の改善し、(2)快適なマンションライフを担う、環境改善型事業を展開するとのことです。具体的な進め方としては、環境に理解のある専門家などからなる協議会をつくり、集合住宅をモデル選定し、先導的環境改善方策を検討し、モデル事業を通して得た情報を市内のマンションや団地へ啓発していく構想だそうです。
まちせんからも市からの呼びかけに応じて、委員として参加することにしました。 再生可能エネルギーの普及は事業性の追求ではなく、エネルギーの問題を考えることにより、将来自分たちが何を残し、次世代に何を引き継いでいくかという、生き方の問題だと大木さんは問いかけておられます。(F.T)
(2015.9.30[Wed]記載)
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