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木曜サロン

記録・報告

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2013年06月分

第90回(2013年6月20日)

■テーマ:諏訪2丁目住宅の建替え その後
■講 師:加藤輝雄(かとう てるお)さん(諏訪2丁目住宅マンション建替組合理事長)

 加藤さんには2010年11月の第62回木曜サロンで、建替え決議までの20年以上に及ぶ取組みをお話していただいて以来、2度目の登場となります。それから2年半が経過し、ようやくこの秋にも再入居というところまできました。今回は、建替え組合理事長として最前線に立たれている加藤さんから、この間の取組みを中心にお話いただきました。

 2010年12月建替え組合設立認可、2011年11月権利変換計画認可という手続きと並行して、2011年6月までに民族大移動ともいえる仮住まい先への移転、その後の建物解体という経過を辿り、同年12月に本体工事着工の運びとなりました。現在は建物工事も最後の内装工事の段階になっています。

 完成後は1249世帯のコミュニティができることになりますが、そのうち従前権利者は565世帯、557組合員(複数所有8)、新住民(分譲購入者)は684世帯だそうです。特徴的なのは、従前戸数640戸のうち、権利者が居住していたのは418戸で、残りは賃貸179戸、空住戸43戸であったのが、建替え後は500戸以上の世帯が住み戻り率88%、一方、四分の一以上あった賃貸住宅が1割程度に減るとのことでした。

 また、世帯主年齢では、旧住民が平均65歳(建替え決議時)に対し、新住民は30〜40代が65%を占め、そのうち75%が市外からの転居者とのことでした。その内訳では多摩市を除く多摩NTエリアから約15%は想定内として、東京23区も約15%と想定を上回る結果だそうです。また、神奈川県からも20%となっていますが、多摩ニュータウンに隣接する川崎、相模原など近隣市が多いのではと思います。

加藤さんの今回のお話のポイントをご紹介します。

(1)合意形成については、限りなく100%近い住民の理解と参加に努めたこと
 建替え決議後の住民合意の経過は、未賛同者の54世帯に対して催告、うち49世帯は建替え事業に参加、残る5世帯には組合として売り渡し請求、3世帯が応じ、残り2世帯に対し組合を原告とする裁判となったそうです。裁判は組合勝訴の判決となったそうですが、この間も組合として賛同を強要することなく、異論にも耳を傾けるなど誠実な対応により理解を得るように努めたということです。

(2)新旧住民の1249世帯の新しいコミュニティづくりに注力していること
 まちづくりコミュニケーションのためのワークショップを通じて作成したパンフを、新旧組合員全員に配布し、一緒になって、コミュニティづくりをすることを伝えるそうです。

(3)諏訪2丁目住宅の建替えは「まちづくり」として取り組んでいること
 建替えは、単に古い建物が新しくなるからではなくて、諏訪地区全体、ひいては多摩NTにおける共同体形成(まちづくり)のモデルになるという基本コンセプトでやっているといわれています。諏訪名店街の永井会長から加藤さんに対して、諏訪地域の活性化に協力して欲しいとのメッセージを送られていました。

 今回の木曜サロンには、多摩NTでの大規模建替えということから関心が高く、建替えを検討している複数の団地管理組合からの参加もあり、本格的な梅雨の天候にも係わらず40人を超える大盛況となりました。加藤さんの熱のこもったお話を受けて、さらに後半の懇親会も熱気あふれる場となりました。
 建替え事業がいよいよ最後の段階となりお忙しい中、加藤さんには貴重な時間を割いていただきありがとうございました。

(2013.6.28[Fri]記載)


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